初診時、手術したいと言ったら、病態や治療法の説明と共に、
以下のような説明書を頂いた。
手術の方法について
手術予定日:平成27年5月18日
手術は全身麻酔で行います。
前頚部にしわに沿って30mmの切開を加えます。
頚椎の前側方に達し、切削すべき椎間をX線透視で確認します。
椎間の端のルシュカ関節から背側に向かってドリルで骨を削っていき、
神経根と脊髄を圧迫している椎間板ヘルニアを除去します。
石灰化した後縦靭帯も摘出できる範囲で切除します。
切削範囲を3D透視画像で確認し、
神経根と脊髄の減圧が十分であれば切削孔にステロイド液を滴下し、閉創します。
皮膚はボンドで接着しますので、抜糸はありません。
手術時間は約3時間半です。
麻薬導入や手術準備、3D透視撮影、麻薬覚醒などの時間も加えると、
入室から退室まで5時間程度かかります。
4.起こりうる合併症について
①圧迫によって傷んでいる脊髄が、ドリルの熱や機械的刺激により
更にダメージを受ける危険性があります。
②圧迫解除された脊髄が、充血して浮腫、炎症を生じることがしばしばあります。
神経痛やしびれの他に、術前になかった麻痺、筋力低下が出ることがあります。
③切削部の近傍を走行する椎骨動脈を損傷する危険性があります。
④交感神経幹を傷つけて、ホルネル症候群(眼瞼下垂や発汗障害など)を
生じる場合があります。
⑤めまいなどの自律神経症状が一過性に生じる場合があります。
⑥皮切り部の上の、下顎の皮膚の近く障害が出ることがあります。
数ヶ月で改善します。
⑦切削腔に生じる肉芽腫(にくげしゅ)や椎間板ヘルニアにより、
術後早期に症状が再発する場合があり得ます。
⑧術創感染症、術後出血を生じる場合があります。
⑨術後肺炎や心不全、脳梗塞などの全身合併症を生じる場合が考えられます。
⑩全身麻酔に伴う合併症を生じる危険性があります(別紙参照)。
⑪気管・食道の圧迫や気管内挿管の影響で、術後に声がかすれたり、
嚥下が少々困難になる場合があります。
上記のとおり説明致しました。
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4月初診時、私は、T先生の非常に丁寧な問診、
神経学的検査、徒主検査、画像診断を受け、
驚くとともに、充実感を覚え、満足していた。
質問はいくつか用意していたが、尋ねる前に
ほぼ全て先生の方から説明があった。
患者が何を聞きたいかも、わかるみたい。
数時間かけた診断が終わる頃には、私はすっかり安心しきっていた。
この先生になら、是非とも手術して頂きたい
…と思うようになっていた。
なので、手術の話が出た時には、
「先生に、手術してもらいたくなりました
(〃⌒ー⌒〃)ゞ 」と即答したし、
隣で一緒に説明を受けた夫も、
「もう、手術せんと良くならん。手術していただこう!」と言った。
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T先生は、
発症後、3ヶ月以上たっても症状が軽減せず、
それでも手術適応じゃないと言われ、
日常生活に支障が出て困っている神経根症の方々を
手術で救ってあげたいと言われてた。
本来は、『神経根症の頸椎難民の方を救うのが第一目的』
のようだ。よそではあまり手術適応にならないので。
私なんか脊髄症だし、ちょろっと小さいOPLLもついてるから、
きっと嫌われる、
手術してもらえない…と思っていたので、
知っていながら、1年間メールをしなかった。
ヘルニア掲示板での体験談や、
体験者に勧められたりもして、
ともかくメールを出して手術適応かどうか、
聞くだけでもやってみようと決心した。
すると、思いもかけず、手術適応範囲内と言われ、
天にも昇る気持ち。
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2015/5月の頃は、
まだ手術も1ヶ月待ちで、
先生にも、時間的余裕があったようでした。
スキマ時間を利用され、
よく手術患者の病室に顔を出されていました。
先日、再診の合間にお聞きすると、
患者さんが増え、
なかなか回診の時間が取れないのが悩みの種のようで。
メールも大量に来ているそうでした。
私も、また入院して手術してもらいたいけど、
ああ…もう悪いところはないの、残念(^^;)!!
と思うほど、5月の頃の入院生活は快適でした。